お金をかけずに魅力あるサイトに変えるテクニックを伝授する連載2回目。
前回は、数多いリンクを減らし、必要な情報を絞り込んで掲載することがコストパフォーマンスの高いウェブサイトになる条件だとお話しました。今回は、ずばり「減らし方」です。実際にどうやってコンテンツを減らしたらいいのでしょうか。
トップページのリンク数の絞り込み
情報を満載したトップページは、ユーザに多くの選択肢を与える魅力的なサイトであるように見えるが、それは間違いだ。ユーザは、どれを見ていいかわからくなくて迷ってしまうし、重要なリンクが埋もれてしまう可能性も大きい。少ないリンクでユーザを適切なコンテンツへ導く。それが良いトップページの条件だ。
現在、公開しているトップページのリンクの数を数えてみて欲しい。1年前のトップページと比べてみて、リンクが増えているとしたら、増えた分だけ、ユーザが迷いやすくなっている。不必要な情報を削り、適切な量に絞り込む「ダイエット」が必要だ。その基準は何か、ブラウザで最初に表示されるスペースに収まる情報量だ。ページの中で情報を最もよく伝達できるのは、すぐに表示されるエリアだから、そこに収まる情報量に絞るべきだ。
掲載情報の優先順位と削除基準作り
一般的に、トップページには新しい情報が順次に掲載され、コンテンツは時とともに着実に増え続けていく。これらの大部分はすぐ古くなり、ユーザにとって魅力のない情報になる。ユーザが見ない無駄なコンテンツは、サイトの贅肉のようなものだ。この「贅肉コンテンツ」は、本来、見せるべき「生きたコンテンツ」を圧迫して目立たなくしてしまうから、順次減らしていかなくてはならない。掲載するのは簡単でも、削除するには、コンテンツに関係する部署や担当者への説明など、以外と骨がおれる仕事が待っている。
誰もが、掲載していた情報を削るのは不安だし、担当者との交渉も心理的負担が大きい。相手によっては、いざこざになることだってある。それを避けたいならば、常に一定のルールでコンテンツに優先順位をつけ、その順位に従ってトップページの面積を配分するというルールを作らなければならない。そのようなルールを定着させることが、社内の摩擦を減らし、効率の良いサイト運営の基礎になるのだ。
コンテンツの利用率を調べる
削除する基準は、誰の目にも明らかな、数字で表されることが望ましい。サイトの内容が異なるから、簡単に決められないが、ここで一つの基準となる数値として「利用率」を調べてみてはどうだろうか。サイトに訪れたユーザが、どのサイト内のコンテンツ見たのか調べるのだ。
コンテンツ利用率(%)=
コンテンツを閲覧したユーザ数 ÷ サイトにアクセスしたユーザ数 × 100(%)
割合を見ることで、サイトのアクセス数の増減にかかわらず、ある程度一定のデータが得られる。ある基準値以下に利用率が下がったページは、この際、思い切って削除することにする。ユーザが見ていないのなら、無い方がマシの「贅肉コンテンツ」だからだ。
サイトには情報をいくらでも載せられるから、本当に必要なページだけに絞らなければ、すぐに収集がつかなくなってしまう。あなたのサイトにふさわしいルールや基準値を設定することで、「生きたコンテンツ」が実力を発揮できるスリムなサイトを作って欲しい。