お金をかけずに魅力あるサイトに変えるテクニックを伝授する連載3回目。前回は、増え続けるリンクやコンテンツを絞り込むルールについてお話しました。今回はサイトの抱える問題点をあぶりだす「サイト診断5つのポイント」です。
アクセス数にごまかされるな
サイト全体のアクセス数ばかり気にする企業が多いが、その数の増減は、ほとんど意味が無い。ある程度の規模の企業なら、何も手を打たなくても一定のアクセスがあって当然なのだ。それが1日100でも10,000でも、サイトの現状把握には役に立たない。それよりも大事なのは「アクセスしたユーザが何ページ見ているか」である。
まず、ユーザ一訪問あたりのアクセス数を調べよう。平均が3ページ以下の場合、サイトのコンテンツは、あまり見られていない可能性が高い。せっかくアクセスしてくれたユーザが、すぐに他のサイトへ逃げてしまってるのだ。なぜだろうか?分かりにくいトップページにウンザリして?お目当てのコンテンツが見つからずにイライラして?ユーザの立場で想像してみて欲しい。
細部の変化に目を光らせる
アクセス数で大事なのは、全体ではなく、部分。1回の量でなく変化だ。各コンテンツごとのアクセス数や、利用率を1週間、1ヶ月単位で集計して、変化を常に把握するのだ。エクセルを使ってアクセス数の変化をグラフにしたり、利用率の多い順にランキングを作ってみると一目で変化をチェックできる。
アクセス数は、コンテンツを更新した時に上がり、緩やかに落ちていく。しかし、アクセス数が多くなっても利用率は大きく変わらない。更新してもまったくアクセスが上がらなかったり、利用率が急に下がったりしたときは、やりかたに問題がなかったか検証してみる必要がある。
ギャンブル感覚でアクセス予想
コンテンツ更新のたびに増えてきたリンクやバナーを整理する。リンクの有効性を調べるには、わざとリンクを移動したり、削除してみるのも効果的な方法だ。そして、削除前後のアクセス数やコンテンツの利用率を比較することで、リンクの有無がどの程度アクセスに影響するかが把握できる。
またリンクを移動する際は、何らかの予想が不可欠だ。例えば「バナーの位置をページの左上に変えたらアクセス数は増えるだろう」等々。初めはどんな単純な予想でもいい。予想を立て、実行し結果を確認する。勝ち馬を予想せずに賭ける競馬なんて、損するばかりでちっとも面白くないだろう。サイトも同じである。競馬新聞ならぬアクセス集計表を眺めて、ギャンブル感覚で予想してみよう。
メニューは5つまでに絞る
サイト内のコンテンツにできるだけアクセスして欲しいと、サイト内の情報をすべてトップページに羅列してしまう。しかし、トップページがごちゃごちゃしていて、ユーザが一目で内容を把握できなければ、そもそもサイトの中に入らずに、他のサイトへ去ってしまう。
サイトに必要だけど優先順位の低いコンテンツは、似たテーマの複数のコンテンツをまとめて、新しいメニューを作成する。それもそのままでは、増えすぎてしまう。人が一目で把握できるのは、片手で数えられる数までということだ。だから、メニューは5つ以内にまとめるべきだ。
サイトのゴールはどこ?
サイトの成果が見えないと悩む企業は少なくない。しかし成果は、アクセスや問い合わせ件数などのサイト上の数値だけでは把握できない。例えば、アクセス数に対する、お問い合わせ電話の数の変化や、Eメールとダイレクトメールの集客数とコストなど。ネットとリアルの数値との比較や、質量のバランス感覚がなければ、成果の把握は難しい。
ここで改めて考えて欲しい。「サイトの目的はなんだろう?」「サイトで実現したいのは何か?」目標がなければ、成果の出しようもない。初めはどんな小さなものでもいいから、具体的な「目標」をたてること。それが成果を出す第一歩になる。
漫然とサイトを運営していたのでは、いつも手間ばかり掛かって、一向に成果が上がらないサイトのままだ。以上の5つのポイントに参考に、サイトの抱える問題をあぶり出して欲しい。それらの問題を一つ一つ解決していくことで、確実にサイトの魅力がアップするのだから。