デザインを納得させる

お金をかけずに魅力あるサイトに変えるテクニックを伝授する連載12回目。前回は、デザイナーが発注側との交渉を有利に進める方法をお話しました。今回は、デザインする前に行うクリエイティブコンセプト作りについてです。

なぜ良いデザインが通らないのか?

自分としては、オススメのデザイン案ができた。勇んで提出したら、「イメージが違う」というクライアントの言葉。気を取り直して、別の案を持って持参したけれど、それでも違うと言う。時間もないから「じゃあどうしたら、いいんですか」と聞いてしまう。

すると、いいデザインとは、およそかけ離れた勝手な意見ばかり言ってくる。なんとか要望をふまえて修正。なんだか中途半端なものになってしまい、自分としては不本意なものになってしまう。それでも、これで受け取ってくれるならと提出。

そこまでしたのに、上司に提出したら、また修正が入っるという。しかも担当者の意見とは矛盾する。「話が違うのでは?」といっても「上司が言うから」の一点張りでとりつくしまもない。誰の意見をきくべきかわからなくなってしまう。

こんなやりとりを繰り返していると、やる気もなくなってくる。最初の理想も忘れ、「人のものだし」と、出来上がりのクオリティもどうでもよくなってくる。そんな時、プロのデザイナ-としてどうするべきなのか。

なぜ認識があわないのか?

そもそも、クライアントにセンスが無いと嘆いてみても仕方がない。できないからこそデザイナーが必要とされているのだ。

クライアントは、今まで見た事があるもの、みんなが納得するものを望む。しかし、それが正解とは限らない。けれども、担当者はデザインができないから、どうしても、今あるもの、出来上がってきたものに対して、意見することしかできない。

デザイナーは、使いやすさや美しさに細心の注意を払う。その上で、作品としてオリジナリティがあり、今までにない新しいものを作ろうとする。それは当然のことだが、ともすれば独りよがりになりやすい。

デザイナーとクライアントが考える前提が合っていないといつになっても溝は埋まらない。立場の違う両者が、印象や好みを言い合ってしまったら、仕事を受託するデザイナー側は不利である。

最初に、議論を同じ土俵の上に乗せることが必要である。そのために大事なのは、見た目のデザイン以前に、目的を共有することなのである。

デザインする前にやることは?

デザインする前に、デザインの背景となる「クリエイティブコンセプト」を作る。なにをやるサイトなのか、どんな表現をするか、といった方向性を明確にする。そのためには、以下、7つのポイントをデザイナーとクライアントの両者が納得できる言葉で整理してみることだ。

1.サイトの目的
このサイトでやることはなんなのか。例えば、新しいお客を集める、ユーザーの問い合わせに答える、商品を購入してもらう、製品の情報を伝える、など。

2.サイトのゴール
このサイトを見た人が、どうなることを目指すのか。商品を購入する、資料を申し込む、わからなかった疑問が解消する、製品のことを知って気に入る。

3.ユーザー像
このサイトに来てほしいのはどんな人か。普通の人か、専門家なのか、いつものお客さんか、新しいタイプか、どんな時、どんなことを考えながら来るか。

4.オーナー像
ユーザから見た時、主催者はどんな立場か。よく知られている、逆にほとんど知らない会社か、新しい商品を売り出そうとしているのか、定番商品なのか。

5.伝える情報
ゴールに導くために伝えなければならない情報。会社や製品の良いところ、他社と比較して優れている点、利用した前と後で、何がどう変わるかなど。

6.表現手法
ユーザにどんな風に情報を伝えたら、最もスムーズにゴールまで導けるのか。どの順序で伝えるか。どこまで詳しく伝えるか。どんな語り口を使うか。

7.サイトのイメージ
その企業のイメージや、サイトで出したい雰囲気。既存のままにするか、変えるのか。先端的か伝統的か、明るい感じ、清潔感、高級感など。

デザインを進めていく上で、迷ったり、うまくいかなくなった時には、必ずこのクリエイティブコンセプトに立ち戻って考える。それによって議論が混迷したり、無駄な作業を防ぐ事ができる。

デザイナーの仕事とは?

デザイナーの仕事は、クライアントの言っていることを、そのまま絵にすることではない。クライアント自身にも、見えていないことを含めて具現化するのが求められているである。

だからこそ、しっかりとした「骨格」を作ることが大事だ。それができれば、あとはデザイナーの感性で肉付けしていくことはたやすい。いくらでも素晴らしいものに仕上がる。最初は回り道に感じるかもしれないが、担当者とのコミュニケーションがスムーズになるから、もっと仕事がやりやすくなる。

次回は、デザインコンセプトを実際の表現に落としていくコツについて説明していきたい。

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