顧客優位社会の到来

インターネットが普及によって、この社会の中で何が一番変わったのか、それは企業の提供する商品やサービスの選択を「顧客が主導権を握った」ということに尽きます。

インターネット以前は「企業優位の社会」でした。商品やサービスに関する「情報」は、企業から顧客へと常に一方通行であり顧客は企業から発信された情報を盲目的に信じる立場に甘んじていました。企業は「資金力」によって情報を「収集」し、マスメディアによる「発信」することによって、顧客に与える「情報」を操ることができる存在でしであり、顧客は自分の得られる範囲の情報で選択することしかできませんでした。

その状況が、インターネットの発展と普及によって一変します。顧客に「資金」が無くても、インターネットをフル活用することで、独自に商品やサービスの情報を収集し、その良し悪しを自分の言葉で発信することができるようになりました。

さらに意見を同じくする人たちとの連携によって、たった一人の顧客の意見が、企業のビジネスに影響を及ぼす可能性がでてきました。影響力が高まると企業は個人の力を無視することができなっているのです。顧客と企業の力関係は逆転し「顧客優位の社会」に変わりつつあります。

顧客に、力を与える変革を推し進めたのは、「検索エンジン」「ブログ」「SNS」という3種の神器(Webサービス)なのです。

1.顧客独自の「情報収集」を可能にした「検索エンジン」

インターネットが広まる前、顧客の情報源は、お店の店頭かテレビや雑誌といった「マスメディア」に限られていました。企業の発信する情報や店員からの情報で商品やサービスの良し悪しを判断していました。店頭では売らんかなの店員がよいことばかりを語ります。それが本当なのか判断しようにも、マスメディアはスポンサーである企業には逆らいにくいため企業の都合の悪い情報を掲載することは少なくなります。仮に有益な情報が掲載されたとしても、顧客が知るまでにタイムラグが発生することが避けられません。「時すでに遅し」という状況もめずらしくありませんでした。

マスメディアは不特定多数を相手にするため、ビジネスにならないようなニッチな分野では、情報がメディアで扱われたないために情報に触れることさえ出来ないということになります。独自の情報を得るためには口コミという手段もあるものの、自分の周囲の人間関係を伝っていくに留まり、必要な時に必要な情報を得るということは困難でした。仮に運よく知っている人に出会えたとしても、比較検証ができず信憑性に欠けるということになってしまいました。

「検索エンジン」の登場は、その状況に風穴を開けます。検索窓にキーワードを入力すれば、世界中のサーバーから、条件に合致するページが一覧されて表示されます。おおきなメディアの情報だけでなく、業界内だけの情報や、同じような趣味趣向を持つ人の生の声を得ることができるようになりました。気になる商品サービスについては、良い意見だけでなく、中立的、批判的な意見も含めて、たくさんの情報の中から取捨選択することができるようになりました。

毎日のように情報が更新されていくので、必要な情報を必要なタイミングで引き出すことを可能にし、判断に十分な情報を個人で容易に得られるようになりました。顧客は企業の担当者や店員に頼らなくても情報を集めることがでができるようになり、独自の選択基準を持つことが可能になりました。自分で収集したインターネットの情報を最大限活用して、欲しい商品やサービスを「指名買い」するようになったのです。

今や全世界で10億サイトを超え、ページは一兆以上というとてつもない量に膨れ上がっています。数が膨大なので、どんなニッチな分野でも賛否両論どちらの情報も取得して、自分で比較検証することができるようになりました。国内にない情報でも、海外にはたっぷりあります。言語の壁も、機械翻訳のサービスの利便性と精度の向上で、徐々に低くなっています。

2.マスメディアと同レベルの「情報発信力」を持つ「ブログ」

インターネットの初期から、個人でホームページを持つことは可能でした。しかし、ページのデザインをしたりHTMLを理解して書く専門知識が必要だったため、情報発信をする敷居は高く限られた熱心な人が行うのみでした。「ブログ」の登場で敷居が一気に下がったことで、老若男女だれでも、すぐに自分の意見を広く情報発信することが可能になりました。

「ブログ」はHTMLを覚える必要もなく、Webの入力フォームに文章を書き込めばそのまますぐに公開できます。読みやすくセンスのよいデザインも、バラエティにとんだ「テンプレート」を選ぶだけです。面倒な更新作業もRSSによる更新の通知や、カテゴリ―分け、人気記事のリスト表示など、すべて自動化されて容易になりました。

ブログの投稿に対する「コメント機能」によって、閲覧したユーザーの反応がダイレクトに反映されるようになりました。知りたいことを発信者にコメントすることで、必要な情報を得られるばかりではなく、発信者もコメントがつくことで、投稿が多くの人に見られているという実感を持つことができます。後で閲覧したユーザーの参考にもなるため、コメントはブログを魅力的にする手助けにもなります。

さらに「トラックバック」という「引用」元に通知する機能は、自分の記事の広がりを実感したり、「ブログ」のオーナー同士を結び付け、お互いに交流することを可能にしました。コメントとトラックバックは自分の投稿への反応をダイレクトに感じることができ、コンテンツの更新のモチベーションを高めることにつながり、多くの人が情報発信をするきっかけとなりました。

ブログは検索エンジンとの相性もよかったため、個人からの有益な情報発信が検索の上位にランクされ、企業の情報発信と同等に扱われるようになったのです。

3.「SNS」によって顧客は企業に対抗できる「組織力」を獲得

個人の情報発信が活発になって、興味のある人が積極的にアクセスしなければ、情報を取得できませんした。受動的に情報を得る不特定多数にアプローチできるマスメディアには、まだ一日の長がありました。情報が自然にひろがっていくということはありませんでした。

それが変わってきたのは、国内では「mixi」に端を発して「Facebook」や「twitter」に代表されている「SNS」の浸透です。SNSで友人とつながっていると、その友人がつながっている友人、そのまた友人という具合にどんどん関係者が広がっていきます。

商品やサービスのメルマガは鬱陶しく感じても、SNSはついつい頻繁にチェックしてしまいます。自分のタイムラインに流れてきた情報なら、関係ない人から聞いたら多少胡散臭く感じすような内容でも、「友人が気になっている」というフィルターがかかることで、ちょっと見てみようという気持ちになります。たとえ自分には興味がない分野でも中身をチェックしてしまうこともあります。友人を介して新しい世界が広がっていくのです。

この「つながりの連鎖」によって個人の情報発信が、全世界に届く可能性が開かれたのです。SNSを説明する時「人は6人とつながれば全世界の人とつながることができる」と言われます。個人の意見が、同意を得れば「シェア」されます。それが連鎖することで、広範囲に情報が伝わります。さらに個人と個人のつながりによる、自然発生的な集団が同時に情報共有することで自然発生的に巨大なムーブメントをつくりだすことが可能になったのです。

こうして、顧客は企業に比する影響力を持つようになりました。 今や顧客は、ちっぽけで何も知らない「御し易い存在」ではありません。独自の情報源とメディアと持ち、企業のビジネスを左右するほどの組織力を持った「対等な存在」に変わったのです。この変化をとらえて、顧客を「パートナー」として新たな信頼関係を獲得することが、企業の繁栄には不可欠なのです。

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